手動インストールとは
手動インストールというのは、サーバーが提供している自動インストール機能を使わずにサーバーに直接WordPressをインストールします。自動インストールはロリポップで言うところの簡単インストールのことです。(正直扱いづらく、不安定。ロリポップさんすみません。でも本当です。)自動インストールが不安定であることも多分にあるので、手動インストールはどんなサーバーにもどんなOSにも有効な技術ですのでこれからWordPressを運営される方は覚えて損はないです。損はないどころかもう最高です。
インストールするといってもWordPressのフォルダーをサーバーに設置してデータベースに紐づけるだけです。はっきり言ってめちゃくちゃ簡単でパソコン初心者でもできるレベルといっても過言ではありません。
なぜWordPressやパソコン初心者が手動インストールに手を出さないかというと、
なんとなく難しそう
だからではありませんでしょうか。
何度でも言いましょう。
間違いなく簡単です!
簡単です。面倒ではありますが、簡単なんです。
手動インストールする場合は素晴らしいメリットがあります。簡単なのにメリットがあるということです。
手動インストールを覚える5つのメリット
①WordPressに問題が起きても怖くなくなる
「WordPressが急に真っ白になったー」とか、「WordPressが正常に動かない」
とか、さまざまなことがWordPressを運用していると発生します。表示速度が急に遅くなったーとか。
もちろん原因を究明して直そうとするのはとてもいいことですが、時間の無駄です。一秒考えてわからないことはバックアップした地点まで戻ることが最速の復旧方法です。
手動インストールであれば、サーバーを一度まっさらに削除し、自分でバックアップしたファイルをもう一度サーバーにアップロードしてしまえば、元通りになってしまいます。プラグインも、画像も記事も何もかも元通りです。何も怖くありません。
②バックアップは無料で取り放題
自分のパソコンにWordPressのデータを保存するだけなので、何度でも保存できます。自動的にバックアップを取るようにシステムを作ることもできますが、自分のWordPressだけの運用であればそこまでする必要はないでしょう。
③サーバーが突然使えなくなっても怖くない
サーバーが突然使えなくなる状況というのはロリポップサーバーに問題が発生したときや、自分で設定を誤って行ってしまい復旧できない状態になったという場合にも、即座に判断して別のサーバーへ自分で再インストールできます。
④自分でサーバー引っ越しもできてしまう
ロリポップサーバーが気に入らないということであればサーバーのお引越しも自分でできます。自分でサーバーのお引越しができるということはかなりの強みです。副業で他人のお引越しを手伝うことだってできるくらいの技術が手動インストールです。しかも簡単。
サーバーのお引越しに関する内容は別でWordPressをローカルに構築編で説明します。
⑤WordPressの運営に自信がでる
僕としてはこれが大きいです。WordPressに関することで怖いことがなくなりました。多少適当にWordPressをあつかっても、まぁ戻せばいいやって思います。ちょっと怪しいプラグインなんかも思い切って試すことができます。もっと安全に運営するならローカルにテスト環境を構築するのは必須なのですが、それはまた別の回で説明します。
WordPress手動インストール手順
以下の5つの手順を実施することでWordPressの手動インストールが終わってしまいます。所要時間は約30分ほどです。慣れていれば15分でできます。
- 必要なデータの準備
- 空のデータベースの準備
- WordPressをアップロード
- WordPressとデータベースを紐づけ
- インストールの実行
WordPressの仕組み
まず、WordPressプレスの仕組みを簡単に理解しましょう。先に仕組みを理解しておくことでもっと整理された状態で手動インストールを理解することができます。
なんか退屈なのでRPG風に説明します。
ワールドマップというものがWEBサーバーとデータベースサーバーに相当します。この二つがなければWordPressという世界は存在することができません。
WordPressは「火、水、風、土」のクリスタルで構築されます。まず、火のクリスタルは「記事」、水のクリスタルは「テーマ(デザイン)」、風のクリスタルは「プラグイン」、土のクリスタルは「設定」となります。
各クリスタルの格納場所は以下の通りです。
クリスタル種別 | WordPressの構成要素 | 格納場所 | 備考 |
火のクリスタル | 記事 | データベースサーバー | |
水のクリスタル | テーマ(デザイン) | WEBサーバー | |
風のクリスタル | プラグイン | WEBサーバー | |
土のクリスタル | 設定 | データベースサーバー | ※データベースのパスワードや.htaccessなどの設定ファイルはWEBサーバーにあります |
格納されている場所が重要です。自分が扱ったWordPressのクリスタルがどこにあるかわかっていることはWordPressの運営にとって重要な知識となります。実際はこの連載をすべて実践すると自然に覚えてしまいます。それでもここにどれがあってっていう知識は手動インストールをする時にきっとあなたの理解をさらに深めることだと思います。
例えるなら4つのクリスタルが揃うことでWordPressという世界が調和し構築されていきます。主人公である、あなたがこのクリスタルを操り世界を変えていくというわけです。
では以下に各クリスタルであるWordPressの要素が、WordPressにとってどんな役割があるのか解説します。
火のクリスタルである「記事」は心臓部です。記事がなければ話になりませんね。記事に書いてある内容がすべてです。記事の内容が検索キーワードに含まれていることによってGoogle検索からあなたの記事にお客さんが流入してくるわけです。そして、記事はあなたの伝えたいことのすべてです。魂です。炎です。それが火のクリスタル「記事」です。
水のクリスタルである「テーマ」はいわゆるWordPressのデザインテーマです。WordPressはデザインテーマを簡単に設定できます。デザインテーマはWEBサーバーに格納されていて、削除したり追加したり自由に行えます。きれいなデザインやかわいいデザイン、かっこいいデザインにするかすべてあなたの自由ですから、あなたの世界観を視覚化する機能といえます。WordPressの隅々にあって重要な要素である水のクリスタルが「テーマ」です。
風のクリスタルである「プラグイン」はWordPressにとって親友のようなものです。ほとんど必須でいろんなプラグインを入れることになると思います。今回もGoogleアナリティクスのプラグインは必ず入れます。プラグインはWEBサーバーに追加や削除をします。追加や削除、設定は基本的にWordPressの管理画面からできますが管理画面から行った設定はWEBサーバー上のプラグインの設定ファイルを書き換えます。プラグインはとても便利ですあなたの背中を押す追い風となってくれます、しかし入れたことによって時々WordPressが壊れてしまったり嵐を呼ぶクリスタルといえます。そんな風のクリスタルが「プラグイン」です。
土のクリスタルである「設定」はあなたの名前やメールアドレス、WordPressの管理ページのIDやパスワードほかにもたくさんの設定があります。こういったWordPress自体の設定はデータベースサーバーに保管され管理されます。記事にどんなアドレスを割り振るかの規則やプロフィールカテゴリー設定やタグなど、さまざまな設定です。こうした設定はまさに土のような存在といえますので、土のクリスタルとしました。
WordPressには記事とデザインと機能と設定を分離して管理する、こうした設計理念があるということです。それぞれの要素をまるでブロックを積み上げて家を作るようにWordPressを構築することができるよ。というわけです。
この設計理念の存在を意識しながら、手動インストールを学んでいくと頭の中で整理された状態で覚えることができます。
WordPressの手動インストールのやり方
必要なデータの準備
https://ja.wordpress.org/download/から日本語版Wordpressをダウンロードしてきましょう。ファイルの置き場所はどこでもいいです。
空のデータベースの準備
WordPressを開設するにはデータベースが必要です。データベースサーバーという
ロリポップにログインしてください。
サーバーの管理設定>データベースの順に進んでください。「作成」ボタンをおしましょう。
必要な項目を入力して作成をクリックしてください。これでデータベースの作成は完了です。
作成するサーバー:はじめはそのままで、デフォルトでもいいです。2つ目からは他の自分のサイトと被らないように設定しましょう
データベース名:後で何のデータベースなのか、わかりやすいように好きな名前でOKなので、半角英数字で入力しましょう。デフォルトは非推奨です。
接続パスワード:デフォルトでもOKです。もちろん自分で設定してもOKです。※接続パスワードはいつでも確認できます。
このあとの作業で効率よく作業するために全部どこかにメモっておくと楽です。
WordPressをアップロード
WINSCPにでサーバーに接続してください。以前(サーバー編)にサーバー内に設置したあなたの公開用フォルダにWordPressの初期データをそのままドラッグアンドドロップでアップロードします。
30分ほどかかるかもしれません。
そうするとロリポップ側にこのようなファイル構成でアップロードされるはずです。
これでアップロード完成です。次は設定をしていきます。
あなたのドメインにアクセスしてください。以下のような画面になるはずです。
もうできちゃってますね。後は順次設定していきます。最初はデータベースの紐づけ、そしてユーザー設定です。「さあ、始めましょう」をクリックして始めましょう。
この画面になったら大丈夫です。このままにして次の章へ行きましょう。データベースを紐づけます。
WordPressとデータベースを紐づけ
データベースの情報をWordPressに入力してデータベースを入力します。下手するとかなりハマる可能性もありますので、慎重に作業を行ってください。
データベースの情報を取ってくる必要がありますので、ロリポップへログインしてください。
「サーバーの管理・設定」>「データベース」の順にアクセスして、あなたのデータベースの「操作する」をクリックしてください。
WordPressとデータベースを紐づけます。番号を割り振りましたので間違えないように確認しながらきちんと入力してください。入力が済んだら左下の送信をクリックしてください。テーブル接頭辞というのは何でもいいですが、今回は「wp1_」としておいてください。
ログイン情報を入力してください。パスワードはデフォルトでも十分です。入力が終わったら「WordPress」をインストールをクリックしてください。
※タイトルは後からでも変更できますから悩まないでください。ユーザー名もプロフィールの表示とは関係ありませんので大丈夫です。むしろ管理画面にログインしたらすぐにユーザー名になっているプロフィールの名前を変えてください。
インストール開始
この画面が出たら完璧です。インストール実行をクリックしてください。
作業はこれで完了しました。
それではきちんとWordPressがインストールできたかどうか試してみましょう。アクセスしてみてください。
以下のような画面になるでしょうか。なっていれば成功です!おめでとうございます。お疲れさまでした。さっそく記事を書いてもいいんですよ!
終わりに
どうでしょうか、めちゃくちゃ簡単でしたよね、今までの知識も合わせれば、サーバー引っ越しも怖くないのではないでしょうか。
ここまでの連載でほとんどWordPressの構築終わったといってもいいです。ですが、ここまではあくまでもベースです。これからはGoogleアナリティクスを使ってアクセス解析を行えるように設定します。そして、ローカルでのテスト環境を構築したり最後にはGITでテーマを管理する設定までします。テーマはいじることが出るWordPressで唯一のプログラミングコードです。そのため、ローカルで編集してテストし、それをバージョン管理することが最も良い運用方法と言えるのです。